■ ID | 58 |
■ 種類 | 論文 |
■ タイトル | 富士山におけるクローン植物イタドリのパッチ形成と発達 Patch establishment and development of a clonal plant, Polygonum cuspidatum, on Mount Fiji |
■ 著者 | 周志華
Zhihua Zhou
東京大学アジア生物資源環境研究センター 三輪誠 Makoto Miwa 埼玉県環境科学国際センター 奈良一秀 Kazuhide Nara 東京大学アジア生物資源環境研究センター 呉炳雲 Bingyun Wu 東京大学アジア生物資源環境研究センター 中屋博順 Hironobu Nakaya 東京大学アジア生物資源環境研究センター 練春蘭 Chunlan Lian 東京大学アジア生物資源環境研究センター 宮下直哉 Naoya Miyashita 東京大学アジア生物資源環境研究センター 大石隆也 Ryuuya Oishi 東京大学アジア生物資源環境研究センター 丸田恵美子 Emiko Maruta 東邦大学理学部 宝月岱造 Taizo Hogetsu 東京大学アジア生物資源環境研究センター |
■ 出版元 | |
■ 出版年 | 2003 |
■ 誌名・巻・号・年 | Molecular Ecology, Vol. 12, No. 6, 1361-1373 、2003 |
■ 抄録・要旨 | マイクロサテライト解析を用いて、富士山南東斜面における一次遷移を優占するイタドリのパッチ形成とその発達について調べた。試験地にある155パッチのイタドリは、それぞれ異なる遺伝子型を示した。このことは、イタドリパッチが、最初は不毛なスコリア上に散布された種子によって形成されたことを示している。一方、イタドリパッチの発達過程を知るために、1962年から1999年までに撮られた空中写真を比較した。その結果、パッチのほとんどが年ごとに拡大し、いくつかの隣り合ったパッチはその拡大過程で融合することがわかった。また、マイクロサテライト遺伝子型を用いて、36パッチ内のジェネット解析を行った。その結果、パッチ面積の大部分は大きなジェネットが占め、その周囲に新しいジェネットが侵入していることがわかった。これらのことは、イタドリパッチの発達に種子繁殖と栄養繁殖の両者が関与していることを示している。 Microsatellite analysis was used to investigate the patch establishment and development of Polygonum cuspidatum that dominates the primary succession on the southeast slope of Mt. Fuji. Genotypes of P. cuspidatum in 155 patches at the study site differed from each other. This indicates that P. cuspidatum patches are initially established by seeds dispersed on the bare scoria field. The comparison of aerial photographs taken from 1962 to 1999 showed that most of the patches enlarged each year, and that some neighboring patches combined during growth. Genet analysis in each of 36 patches using the microsatellite genotypes demonstrated a high correlation between patch area and the area of the largest genet within it, and that new genets were recruited at the patch periphery. These findings indicate that both vegetative and sexual reproduction contribute to the development of P. cuspidatum patches. |
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